我が家にはじめて カセットテープレコーダーが来た日
家族はお祭り騒ぎだった
それぞれの声を録音してみて なんて変な声なんだって笑った
テレビの歌番組録音する時は 息を殺してボタンを押した
だけど台所で母が洗い物 する音も入ったりした
カラーテレビがはじめて来た日は 近所のみんなが集まった
電子レンジがやって来た日は卵を 爆発させた
明るい未来を信じてた 豊かな時代を目指してた
希望があふれてた
すべてがキラキラ光ってた 平和が続くと思ってた
あの日に帰りたい
~セリフ~
電話は玄関にあり黒いダイヤル式で
フリルのカバーがかかってた
ついでにドアノブにも
ティッシュのケースにも 同じようなカバーがかかってた
校庭にのら犬が迷い込んで来て 給食の残りをやった
空き地にみんなで秘密基地を作って 日が暮れるまで帰らなかった
タバコ屋の店先にゃいつもおばあちゃん 習い事はソロバンに習字
朝の目覚めは牛乳配達の ビンの音とスズメの声
明るい未来を信じてた 予想もつかないしあわせに
出逢うと思ってた
僕らはいったい いつどこで 何を忘れて来たんだろう
あの日の夢を見る
~セリフ~
街に活気があり 父は毎朝 颯爽と会社に出掛けた
夕焼けの色や夕立ちのにおい 今よりもっと鮮やかだった
明るい未来の僕たちは 心のどっかが寂しくて 背中を丸めてる
ビルに隠れた夕焼けに 道路に染みる夕立ちに
あの日をさがしてる
明るい未来を信じてた 豊かな時代を目指してた
希望があふれてた
すべてがキラキラ光ってた 平和が続くと思ってた
あの日に帰りたい