N.C.
『先生、俺達の木造校舎 すっかりなくなっちまったんですねェ
それに、あの暑い夏に 重いローラー転がしてならした
テニス・コートの上に プールなんか出来ちまって…
先生、 時の流れって、そんなもんですかねェ』
木根川橋から水道 路抜けた
白髭 神社の縁日 は
アセチレンたいて あんずあ め売ってますか
相も 変わらず にぎやかなんでしょうね
あの頃何やら覚えて居るのは
あの娘の笑顔と冷たさと
不思 議な胸の どよめきと
あっけらかんと あっけらかんと
みんなみんな 許せた毎日
『先生、 あの頃よくのりちゃんと銭湯行ってね
あいつときたら、 15番の下駄箱があくまでは
どんな雪の中だって 雨の中だって中へ入らなかった
先生、 覚 えているかな、うちのクラスの15番、そう
目のステキなのりの好きだったあの娘の
出席番号だったんですよ』
僕らはこっそり ノォトの 片隅に
あの 娘の名前に 自分の苗字を
かぶせて書いてはあわてて ぬりつぶし
あた りを見廻 し 赤くなったもんです
使いの帰りは廻り道をして
あの娘の家の前を通ったもの
その くせ会えば そっぽを向いた
なんともはや すてきだった
仲間達に カンパイ!!
木根川薬師の 植木 市の日には
今で も 必 ず 雨が降りますか
もんじゃ焼きのコツ 忘れち ゃいませんよ
カル メ焼き冷やすより 易しかったもの
あの頃チャリンコ転がして行った
曵舟、押上、浅草の
不思 議な胸の 高鳴りと
荒川土手の忘れちゃいけない
毎度毎度の 草野球
『先 生、みんな変っちまいましたねェ 先生、
先生……なんだ寝ちまったんですか…』































