両足が鉄の棒のように痛かった
お前と二人で不動産屋を廻った
はり紙を何度も何度も なぞりながら
井の頭線で五つめの駅で降りた
愛想の悪い酒屋で 俺は缶ビールを買った
植木鉢の下に 鍵を置く事に決めた
荷ほどきできない ダンボール箱を背中にして
俺たちは えびのように丸くなった
※今日から俺 東京の人になる
のこのこと 来ちまったけど
今日からお前 東京の人になる
せっせせっせと 東京の人になる
二人でおんぼろの自転車にのり
野良猫の “ チロ ” を お前は拾ってきた
不釣合な花柄のカーテンには困ったけど
南向きの窓が たまらなくよかった
豆腐屋のばあさんは ゴムのエプロンに長靴で
いつも そこら中に 水をまいていた
「 ごめんよ 」 がこのばあさんの いつもの挨拶で
そこを通るたびに 笑ってた
※Repeat
カンカンと遠くで 踏切が鳴いてた
夕暮れ時の雨は 嫌(いや)だった
つっかけを履いたまんま 女ものの傘をさし
角のバイク屋へ空気入れを借りに行く
鉄柵の向こうからは 空が見えなかったけど
暮らすのに何の理屈も いらなかった
ただ初めて お前の台所に立った背中を
抱きしめたのは ささやかな俺の覚悟だった
※Repeat(Two Times)



















