昔 その人は 赤児を抱いて
いつか故郷を 拓 けと願い
「 父を越えて行け 」 と 名前を さずけた
母は影のように たたずみながら
すこやかであれと 涙 を流す
のびやかに しなやかに 育 てよ 子供
やがて 大地 踏みしめ 太陽に なれ
祖母に手をひかれ 海辺を 歩く
はるか遠い国へ 胸 をおどらせ
風がほほを過ぎて 7才の 夏の日
姉の唄う声は 小鳥のようで
心ときめいて 足 を はやめる
のびやかに しなやかに 育 てよ 子供
やがて 大地 踏みしめ
太陽に なれ
兄の進む道は たくましそうで
あこがれのように ま ぶしく写る
「 強くなれたらいい 」 12才の 秋の日
友と汗をふき 山に登れば
たぎる想いゆれて 命 とおとし
時は川の流れ 19才の 冬の日
あの日その人は やさしく 笑い
母の手をにぎり 旅に出かけた
おだやかに やすらかに 眠 れと いのる
やがて 雪を とかして せせらぎ になれ
いくど春が来て あの日をたどる
この名も故郷も静 かに生きる
雲が空に浮かび 人の顔 になる
昔その人が 愛した場所に
若い緑たちが 芽 をふきはじめ
のびやかに しなやかに 育 てよ 子供
やがて 大地 踏みしめ 太陽に なれ
のびやかに しなやかに 育 てよ 子供
やがて 大地 踏みしめ 太陽に なれ




























