お かしな夢を見てるようだ もう一人のボクがいて
そ のすぐ隣にキミがいて 名前も知らないキミが いて
ボ クはそのキミに話をする 名前も知らない人なのに
漫 画みたいにしゃべれるのは 名前も知らない人だか ら
笑 ってるだけ の最後の夕凪の海
はじ まりと終わ りで何となくうすぐもりだ
キミは誰なんだよ…… 何故さみしそうなの……
『次、風が吹いたら居なく なるの……』
あ と数十秒 でキミに会え なくな る
何 か言わなきゃって言葉に詰まる
何故だか懐かしい気がする
風を待つ二人……そういえば
い つかボクがノートに 書いた冗談みたいな物語だ
こ れはボクのノートの中だ もう一人のボクがいて
そ のすぐ隣にキミがいて ホントは誰だか分かってて
海 風 陸風 潮の匂いとキンモクセイが
入り 交じって変だ な…… こんなの書いた覚えは無い
ここはどこなんだよ…… 何故キョトンとしてるの?
『ページをめくりなよ』
白紙 のページだ!
ボ クは慌て てノートに続 きを書 く
だ からもうさみしい顔は終わり
イメージは膨らむ
キミに名前をつけるよ
どんな名前が良いかな……
その瞬間に ほら!
崩れ出した景色 消えかかる空模様
ここでノートは終わる……夢 だっ た
名 前の知 らないキミはもう 会えな い
何 も言えないまま目が覚めたよ
風 を待つ二 人 ボクは忘れ ない ように
ノ ートに書くからまた会えるといいな……
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